« 名演を残したドラマー達 | トップページ | トミー・エマニュエル『Midnight Drive』 »

2004年6月 9日 (水)

ペット・サウンズのライナーノーツ

かおりんさんのプログでHMVの『Top100 Albums』を知り、覗いてみると、ビーチボーイズの『Pet Sounds』が堂々の1位に輝いていた。言うまでもなく、ポップミュージックの歴史に燦然と輝く名盤中の名盤である。

pet_sounds.gif
Pet Sounds

紹介記事の中に山下達郎のライナーノーツについて触れていたので、久々にライナーノーツを読み返してみた。いやー、素晴らしい。このアルバムに対する愛が満ちている。あまりにも素晴らしかったので、その中の一部分紹介したい。

 今日考えれば、確かに『ペット・サウンズ』も『サージェント・ペパーズ・・・』と同様に、ドラッグの助けなしには生れなかった音楽である。ドラッグ・ミュージックは多分に妄想的、分裂的、自己完結的であり、殆どの場合唯美主義へと向かって行く。そしてそれはしばしばマイナスの要素として語られる事が多い。
 だがしかし、それを考慮に入れてさえなお、『ペット・サウンズ』は語り継がれるべき作品である。何故ならこのアルバムは、たった1人の人間の情念のおもむくままに作られたものであるが故に、商業音楽にとって本来不可避とされている、「最新」あるいは「流行」という名前で呼ばれるところの、新たな「最新」や「流行」にとって替わられる為だけに存在する、そのような時代性への義務、おもねり、媚びといった呪縛の一切から真に逃れ得た、稀有な1枚だからである。このアルバムの中には「時代性」はおろか、「ロックン・ロール」というような「カテゴリー」さえ存在しない。
 にもかかわらず、こうした「超然」とした音楽にありがちな、聴く者を突き放す排他的な匂いが、このアルバムからは一切感じられない。これこそが『ペット・サウンズ』の最も優れた点と言えるのだ。『ペット・サウンズ』のような響きを持ったアルバムは、あらゆる意味でこれ1枚きりであり、このような響きは今後も決して現れる事はない。それ故にこのアルバムは異端であり、故に悲しいほど美しい。

↓このエントリーが参考になった方は投票(クリック)願います
blog_ranking.gif

|

« 名演を残したドラマー達 | トップページ | トミー・エマニュエル『Midnight Drive』 »

コメント

getsmart0086さん、こんにちは。
TBありがとうございました。

>このアルバムに対する愛が満ちている

ホントにそうですね!

僕も大好きなアルバムなので偉そうに記事まで書いてしまったのですが、初めて聴いたときにはその素晴らしさが分かりませんでした・・。

投稿: oshinko_99 | 2005年2月16日 (水) 15時23分

oshinko_99さん、こんばんは。
このアルバムは僕も大好きなアルバムで、今でも1年に一度は必ず聴いています。ビーチ・ボーイズをまじめに聴いたことがない人がこのアルバムを聴くと、それ以降の彼らに対する評価は一変するでしょうね。

投稿: getsmart0086 | 2005年2月16日 (水) 23時14分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ペット・サウンズのライナーノーツ:

» Pet Sounds/The Beach Boys [MUSIC♪HOLIC]
JMさんちで、初めて知りましたが、HMVで、『Top100 Albums』という企画があり、3ヶ月以上にわたって毎日1枚づつ、ポピュラー音楽の名作を紹介しており... [続きを読む]

受信: 2004年6月10日 (木) 08時45分

» Pet Sounds (1966) / The Beach Boys [3 Savile Row]
ディスク・ガイドの類を見れば、必ず紹介されている超有名盤。 自分の持っているC [続きを読む]

受信: 2005年2月16日 (水) 08時51分

« 名演を残したドラマー達 | トップページ | トミー・エマニュエル『Midnight Drive』 »